この素晴らしき世界

What a Wonderful World
(邦題:この素晴らしき世界)
サッチモの愛称で知られるジャズミュージシャン、ルイ・アームストロング(1901-1971)の名曲。
この曲を一度も聴いた事がないと言う人は、そういないでしょう。
この曲が発表されたのは1967年。
公民権運動による人種間の対立や、ベトナム戦争などを抱えた、アメリカ疲弊の時代。
そんな辛い時代に、人生の哀楽を味わってきたであろう晩年のサッチモが、「それでも世界は素晴らしい」と、あの愛嬌溢れるダミ声で、優しく包むように歌う――。
この曲を聴くたびに、この素晴らしい世界に生まれたことを、感謝する気持ちになれる。
[ What a Wonderful World ]
I see trees of green, red roses too
I see them bloom for me and you
And I think to myself, what a wonderful world
I see skies of blue and clouds of white
The bright blessed day, the dark sacred night
And I think to myself, what a wonderful world
The colours of the rainbow, so pretty in the sky
Are also on the faces of people going by
I see friends shakin’ hands, sayin’ “How do you do?”
They’re really saying “I love you”
I hear babies cryin’, I watch them grow
They’ll learn much more than I’ll ever know
And I think to myself, what a wonderful world
Yes, I think to myself, what a wonderful world
Oh yeah
『この素晴らしき世界』
緑の木々に赤いバラ
どれも私たちの為に咲いている
そしてふと思う なんて素晴らしい世界だろう
真っ青な空と真っ白な雲
光り溢れる昼と、暗く厳かな夜
そしてふと思う なんて素晴らしい世界だろう
七色の虹が空に映え、行き交う人々の顔を照らす
友だちが握手して挨拶をかわしてる
あれは「愛してる」のしるし
赤ん坊は泣き やがて育っていく
私よりずっとたくさんの事を学ぶだろう
そしてふと思う なんて素晴らしい世界だろう
そう思う なんて素晴らしい世界だろう
そして、サッチモの原曲の美しさは言わずもがなですが、ジョーイ・ラモーンのカバーも秀逸です。
ラモーンズという伝説的パンクロックバンドの一員であるジョーイ・ラモーンは、がんに冒され2001年に49歳という若さで世を去りました。
その彼の遺作であり、最初で最後となったソロアルバム [Don’t Worry About Me(俺の事は案ずるな)] の、1曲目として収録されています。
もちろん、バラードである原曲とは全く異なる、ロックなアレンジになっています。
しかし、微かに哀愁を感じさせながらも、それを吹き飛ばすくらい爽快に歌い上げるそれは、まさしく “What a Wonderful World” です。