闇の子供たち

映画を観てきた。
「日本から地図で20cmの国」タイでの幼児売春と、臓器売買がテーマ。
貧しいので子供を売り飛ばし、先進国の変態を相手に売春。
HIVなどの病気になったら、ゴミ袋に入れられ捨てられる。
また、富裕層のための、生きた臓器提供者となり、殺される。
映画はフィクションだけど、現実に存在する世界。
観終わった後も、重くのしかかる。
これが遠い世界の、深い闇の話かと言えば、全然違う。
我々の日常に存在する、ごく身近な問題だと思う。
「自分さえ良ければ」
我々はこういう行動を、意識的に、また無意識的に、取ってしまう。
割り込みだとか、ポイ捨てとか、そういう単純でモラルの低い話はもちろん。
例えば、T-シャツやコーヒー豆が安くて買う。
自分のお財布の負担が軽くて、賢い買い物だったと喜ぶ。
その裏で、そのコーヒー豆や綿を生産してる人たちが、奴隷のように扱われてるかもしれないのに。
資本主義社会でお金を使うというのは、一票を投じることだ、と言う。
買い物にも責任が伴っている。
でも我々は、己の足元を一つ一つ、確認する事を怠る。
そうした意識の積み重ねが、幼児売春であり、臓器売買であるような気がしてならない。
個人の欲望を、都合良く、歯止め無く広げた末の世界。
清く美しく平和な世の中を夢見るほど楽観主義ではない。
でも我々は、個人でも、想像以上に大きな力を持っている。
だからこそ、その行動は軽卒であってはならないと思う。