道具は人を助ける


先日ようやく、ギャラリーカフェPUPUさんでの個展で、ご注文いただいた作品の配送が終わりました~。
ご注文いただいた作品をパッケージして送り出すのは、けっこう気を使います。
自分の所有する分(=個展で飾る作品)も、大勢の人に見てもらうのでそれは気を使いますが、お金を出して買っていただいた方には最良の状態でお嫁に出さないと、と思うと気が抜けない。
作品のパッケージ作業の中で、一番厄介なのが落款の押印でした。
印鑑なのでもちろんいくらかムラがあるものですが、なぜかこれが最低合格ラインの品質を出すのも難しい。
1つの作品に押印するために10~20回くらい別紙に試し押しすることは普通だし、それでも失敗して、プリントした作品を泣く泣くボツということもありました……なぜ押印が上手くいかないのか。
落款の彫りを調整したり。
下敷きのクッションを様々試したり。
思いつく小道具を揃えてみたり。
そんな苦闘の日々(?)のなか。
印泥(=朱肉)がそろそろ尽きようかという状態になり、画材屋さんで印泥を見る。
今使ってるヤツが1,200円。その隣に高級そうなのが2,500円。
書家でもないし、安いやつで。
と思ったけど、ふと、高いやつだとキレイに押印できるかも。との思いが頭をよぎる。
しかしたかが朱肉に2,500円……店内を徘徊しながら葛藤するも、ええい、ものは試し!失敗したら安いやつを買い直せばいいだけだ!と心に言い聞かせて高い方を購入。
さっそく試してみると…、落款にポンポンと印泥を乗せた時点で違いがわかる。
なんて美しく印泥の乗ることか!
押印前から感動。
結果、今までの押印作業を悔やむほどに、安定して押印できるようになりました。
これで試し押しや失敗は激減するはず。
基本的には「良い道具は人を助ける」という心構えで、道具を揃えているのです。
けど、お財布の紐が固い性分でもあるんですよね…印泥なんて、毎日つかうものじゃないし…。
改めて道具にお金を惜しんだらいかんと思わされました。
やりたいことは山のようにあるので、無駄な苦労を背負ってる場合じゃないです。